トランス脂肪酸について

トランス脂肪酸は、水素添加した植物油を扱う過程で人工的に生成される副産物です。トランス脂肪酸は、悪玉コレステロール、動脈硬化、心臓疾患、ガン、免疫機能、認知症、不妊、アレルギー、アトピーなどへの悪影響が報告されています。

☆日本ではトランス脂肪酸は管理されてるの?☆

諸外国では、このトランス脂肪酸を厳しく制限・管理(使用禁止や含有量表示)しているケースがよく見られますが、日本ではあまり関心を持たれていないようです。日本人は、「ナチュラル」、「天然」、「ヘルシー」などと言ったキーワードに関心を持っている人が多いようですが、人工的で健康に悪いトランス脂肪酸は放置され気味のようです。

「普通」の食生活においてトランス酸の摂取過剰によるリスクを心配する必要はないとの見解が強いために規制されていないようです。諸外国と比較してトランス脂肪酸の摂取が低いという理由もあるようですが、「普通」の食事をしていない人にとっては深刻な問題になりかねません。実際のところは、「普通」の食事を定義するのも難しいと思います。

■トランス脂肪酸の過剰摂取が心配される食事例
朝食:パンにマーガリンや菓子パン、クリーム入りコーヒー
昼食:ファーストフード、又は冷凍食品を利用したお弁当
おやつ:クッキー、クラッカー、
夕食:インスタント・レトルト食品を利用したもの

上記のような食べ方をしている人は要注意です。特に、悪玉コレステロール、動脈硬化、心臓疾患、ガン、免疫機能、認知症、不妊、アレルギー、アトピーなどで悩んでいる人は、食事内容を見直してみるべきかもしれません。

☆トランス脂肪酸について、現段階でできる具体的な対策は?☆

1、原材料表示の中の「マーガリン」「ショートニング」をできるだけ避けましょう
「植物油」「植物油脂」「植物性油脂」「加工油脂」など、現状ではほとんどがトランスファットを含むと考えるべきです。ただし、良心的なメーカーによる「圧搾絞り」「コールドプレス」等の表示がある場合には、トランスファットを含む可能性は低いと判断してよいでしょう。

2、ファーストフードやファミリーレストランでの外食を控えましょう
メニューを選ぶ場合も、ポテトフライや揚げ物を避けること。特に体調の悪い時には、外食やレトルトを控え新鮮な野菜や魚を食べるように心がけましょう。

3、マヨネーズや油脂分の多いメニューを減らしましょう
WHO(国連世界保健機関)・FAO(国連食糧農業機関)の合同専門家協議会報告書では、エネルギー比でトランスファットの摂取は1%未満を提唱しています。国際脂肪酸・脂質学会は1日2g以下を勧告しているので、許容量としてはこの数値が参考になるでしょう。

4、できるだけ、n-3系のαリノレン酸をとるように心がけましょう
シソ油などのαリノレン酸や、魚の魚油に含まれるDHAやEPAはトランス脂肪酸を抑制させる効果があるとされています。家庭で利用する際は、できるだけ油の長時間の加熱(揚げ物、フライパンに長い時間、高温で油を熱さない)を避け、少量でもαリノレン酸の油を加えてみてください。

5、無添加食品の落とし穴に気をつけましょう
油脂に限らず、加工食品全般に言えることですが、「無添加」を表示していても、添加物を含む場合があるのです。例えば、しょう油とかつおだしの「だししょう油」の場合、原材料の表示では「しょう油、かつおだし」のみで「無添加」となりますが、その使われた「しょう油」に保存料が入っていても「キャリーオーバー」として表示の免除があるからなのです。「量的に微量であるから影響はない」との見方もありますが食物アレルギーなどの問題では重要なことです。

「あれも、これもダメ」と規制してしまうと、現状では食べる物も少なくなります。また、生産者側のメーカーも対応が難しいところだと思います。現状では、日本ではまだ規制や表示の義務はありませんが、アレルギーに少しでも関係ある親として、安全な食品を利用できる消費者として全ての食品に、詳しい情報の提供を望みたいと感じます。

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