2023/07/11
サクサクっとした食感で人気のクロワッサン。ご家庭に常備している!という方も多いのではないでしょうか。パン屋さんだけでなくスーパーなどでも気軽に購入でき、日本人の普段の生活にも馴染んでいるクロワッサンですが、その形は菱形(真っ直ぐ)のものと、三日月形のもの、2種類を目にします。どちらもクロワッサンには違いないのですが、実は形の違いに理由があるのはご存じでしょうか?
クロワッサンの名前の由来は「三日月」
クロワッサンは、イースト菌を練りこんだ生地を伸ばし、バターやマーガリンなどの油脂を均一に挟み何層も折り重ねることで、生地とバターなどの油脂がそれぞれに薄い層を成し、それを菱形や三日月形に成形して焼き上げることで生み出される独特のサクサクとした食感が特徴のフランス発祥のパンです。
クロワッサンはフランス語で「三日月」を意味しており、形状が名前の由来となっています。
クロワッサンには長い歴史がある
例えば、17世紀のウィーンにてトルコ軍の侵入に気づいたパン職人が軍隊に知らせたことにより、攻撃を防ぐことができたとして、トルコの象徴である三日月をかたどったパンが作られるようになったという説や、マリー・アントワネットによって持ち込まれたという説があります。フランスや日本以外の国では、例えばイタリアでは「コルネット(“小さい角”という意味)」と呼ばれていたり、ドイツ語圏の国では「ギッフェル(“頂上”という意味)」と呼ばれていたりと様々です。クロワッサンは、そのまま食べることが多いですが、切り込みを入れてサンドイッチにも使用されます。プロセスチーズやウインナーソーセージなどを包んで焼き上げられることもあります。主に朝食または間食用のパンであり、特にフランスでは朝食にはブル(ボウル)と呼ばれる大き目のお椀でカフェオレを飲みながらクロワッサンをそれに浸してふやかしつつ食べるのが一般的だそうです。
生地に折り込む○○で形が変わる
クロワッサンの形は、前述したとおり、菱形(真っ直ぐ)と三日月形です。その違いは記事中に既に少し出てきていますが、ズバリ!!折り込まれている油脂が「バター」か「マーガリン」かの違いです。菱形(真っ直ぐ)のクロワッサンにはバターを、三日月形のクロワッサンにはマーガリンを使用しています。
クロワッサンの発祥の地フランスでは、バターを用いた菱形のものを「クロワッサン・オ・ブール“Croissant au beurre”」、マーガリンを用いた三日月形のものを「クロワッサン・オルディネール“Croissant ordinaire”」と呼び区別することがあるそうです。クロワッサンは生地の生成に手間がかかるため、かつては高級パンの代名詞でしたが、現代では機械で成形することが可能になり価格が大きく低下し、一般家庭でも親しまれるパンとなったそうです。