2019/12/17
冬に旬を迎える野菜の中でも特に根菜類は、食べると血行をよくしたり代謝をアップさせる、“内側から身体を温める野菜”であることがよく知られています。寒さをしのぐためにはもちろん、健康維持のためにも、ぜひ日々の食卓に取り入れたいもの、根菜が“身体を温める”理由は、主に以下の3つが挙げられます。
・根菜の多くが夏に旬を迎える野菜より水分が少ないため、身体を冷やさない
・豊富なビタミンを含み、血行を促進させる作用や、毛細血管が弱らないよう保つ作用がある
・豊富なミネラルが、血液や筋肉を作るたんぱく質の働きを助ける
また、根菜には比較的固い野菜が多いので、煮込みやスープなどの長時間加熱する料理に用いられやすいのも“身体を温める”イメージにつながっているのもしれませんね。
根菜には、若々しさのもとになる抗酸化作用や免疫力アップなど、身体を温める以外にもさまざまなうれしい効果があります。ここでは野菜別の特徴と、いいところを逃さず味わえるおすすめの食べ方をご紹介してきます。
■にんじんは皮を剥かずに、油で調理して食べる
にんじんの皮の近くには、肌や粘膜を保護し、抵抗力を高めるビタミンAのもと「βカロテン」がたっぷり含まれています。そのため皮を剥かずに、βカロテンの吸収を高める油で調理して食べるのがおすすめです。皮付きのままだと気になるようであれば、薄く皮を剥き、剥いた皮もきんぴらなどにしていただきましょう。
■ごぼう・れんこんはあく抜きせずに食べる
ごぼうとれんこんの“あく”には抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。あく抜きをするとこの抗酸化作用だけでなく、香りやうまみも逃げてしまいます。そこで、あく抜きしないで調理するか、あく抜きする場合もできるだけ短い時間にとどめておくのがおすすめです。
ちなみに、あく抜きをしなくても普段と同じ調理法や食べ方で問題ありません。
■だいこん・かぶは葉まで食べる
だいこんやかぶは淡色野菜ですが、実は葉の部分だけは緑黄色野菜なのです。だいこんやかぶの葉には、カルシウムやビタミンCなど、根(実)の部分には含まれない栄養がたっぷり含まれているので、ぜひ葉まで食べてみてください。手に入れたらすぐに葉と根を切り離し、葉の方は茹でてから保存するのがポイントです。
■さつまいもは塩分が気になるメニューと一緒に食べる
さつまいもは食物繊維やビタミンC、ビタミンB1が豊富で、加熱してもビタミン類が壊れにくいのが特徴。余分な塩分を排出し、むくみをすっきりさせるカリウムも豊富に含んでいます。そこで、塩分が気になるメニューと一緒に食べて、塩分よりカリウムを優先して取り込ませるのがおすすめです。
■さといもはぬめりを取らずに食べる
さといもには、コレステロールを抑えるジガラクトシルジアシルグリセロールという成分が含まれています。また、さといものぬめりには胃を保護したり、肝臓や腎臓の機能を高める成分も含まれています。皮を剥いたら洗ったり塩もみしたりせず、ぬめりが残ったまま食べるようにしましょう。
身体を温めるといわれる根菜ですが、生で食べればやはり身体を冷やしてしまうものも。また、イモ類やにんじん、れんこん、ごぼうは糖質が高めなので、食べ過ぎないようにしましょう。
冬の定番メニューには、具だくさんの豚汁やポトフなど、いろいろな根菜を一度に味わえる料理も多いもの。ここでご紹介したおすすめの食べ方をチェックして、身体を温めながら栄養をたっぷり取り入れられる根菜メニューに挑戦してみてはいかがでしょうか。