2020/12/11
街に出れば、もうすっかりムードはクリスマス! 街のイルミネーションや、ご家庭のライトアップ、店頭ディスプレイなんかに、いちいちときめき、ほっこりする季節ですね。
クリスマス文化の本場、欧米諸国では、クリスマスのディナーといえば、食卓にのぼる定番料理は、七面鳥の丸焼きです。日本では七面鳥がなかなか手に入らないため、その代わりにチキンがメインとなっているようです。では世界では他にどのようなものが定番料理になっているのでしょうか?!
豚の丸焼き(レチョン)/フィリピン
フィリピンは国民の多くがキリスト教徒であるため、欧米諸国同様、クリスマスはキリストの生誕を祝う儀式という認識のようです。ただ、食べ物は七面鳥やチキンではなく、豚の丸焼き(レチョン)! 現地のクリスマスには欠かせないもので、パーティーではあっという間になくなってしまうほど、フィリピンの方々は大好きな食べ物のようです。
鯉のフライ/ポーランド、チェコなど
カトリックが国教のポーランドでは、クリスマス前夜は肉食が禁じられているようで、クリスマスの定番料理といえば、鯉のフライ、なのだそう! また、ポーランドのクリスマスイブのディナーは、カトリック教の12使徒にちなんで12品の料理を用意するのが伝統なのだとか。
パネットーネ/イタリア
日本のパン屋さんでも見かけることが多くなったパネットーネ。イタリア語で「大きなパン」の意味で、ブリオッシュ生地のなかに、オレンジピールやプラム、レーズンなど刻んだドライフルーツを混ぜ込んで焼いた、ドーム型の菓子パン。イタリアではクリスマスが近くなると各家庭で焼き、親族や友人に配る習慣があるようです。
シュトレン/ドイツ、オランダ
生地にドライフルーツやナッツが練りこまれていて、表面には粉砂糖がまぶされている菓子パンです。このシュトレンは、アドベントカレンダーのように、クリスマスを待つ間毎日少しずつスライスして、食べていくもののようです。フルーツの風味が日を追うごとにパンにうつって味がよくなるため、今日より明日!と、クリスマスまでを楽しくカウントダウンできるのだそう。近年、12月に入ると日本の店頭でも見かけるようになりました。
クリスマスプディング/イギリス
イギリスの伝統的なクリスマスケーキ。プディング、ときいて、私たちが想像するいわゆるプリン、とはまったく違うようです。原料には、たっぷりのナッツ、ドライフルーツ、そしてミンスミートと呼ばれる牛脂をお酒に漬け込んだものを、小麦粉と混ぜて焼くのだそう。熟成させるほどおいしくなるため、秋口からこのクリスマスプディングづくりを始める家庭もあるのだとか。そして混ぜる工程では、家族全員が願い事をしながら混ぜるのだそうです。その時にボタンやコインなどを入れ、フォーチュンケーキ、として、食べるときに楽しんだりもするようです。
ブッシュドノエル/フランス
フランス語で、「ブッシュ」が木、丸太、ノエルが「クリスマス」の意。その名の通り、木や、切り株のような形をしているのが特徴です。日本でもクリスマスケーキとして、知名度も高いですよね。なぜ丸太なのか。
昔、クリスマスの前の晩といえば、家族皆が暖炉の前に集まってクリスマスソングを歌い、その大事な日のための暖炉にくべる薪は、一晩中燃え続けるようにと固いものが選ばれ、木の葉とリボンで飾り付け、油や、時には聖水で清めてから火をくべたようです。そして大事な一晩燃え続けたその薪の灰は、翌一年家族を守るものと、大事に保存されていたそうです。丸太の形状は、フランスの伝統的なクリスマスの過ごし方や儀式を象徴している縁起物、といえますね。
パブロバ/オーストラリア、ニュージーランド
南半球では、12月といえば夏。サンタ帽をかぶってサーフィンをしている人がいる、なんて話も聞きますし、日本とはちょっと違うクリスマスの印象ですね。クリスマスの過ごし方も少し違うようで、メインはクリスマスランチ、のようです。
そしてクリスマスランチのデザートに欠かせないデザートが、パブロバという伝統スイーツ。メレンゲでできた台のうえに、生クリームと季節のフルーツで飾り付けをします。メレンゲが軽いので、すごく甘そうに見えても案外軽くペロリと食べられるものです。